さらなるサービス向上のために。 会社も社員も同じベクトルで成長していきたい。

「成長マインドセット」を取り入れることで、組織・個人はどう変わるのか。今回は、トレーニングを行うだけではなく、栄養面・休養面も含めたアプローチで心と身体の健康を実現するスポーツジムの運営をしている株式会社ASPIRESTの代表、原田光さんにお話を伺います。

原田 光
専門学校卒業後、資格を取得し大手スポーツクラブにトレーナーとして就職。売り上げトップの人気トレーナーに。その後、有名芸能人の経営するジムを経て、アメリカのサーキットトレーニングをコンセプトにしたヘルスケアのベンチャー企業に入社。しかし4か月で倒産。その後、自分自身の人生の舵を誰かに依存させる事は危険だと考え、自らで起業。現在は株式会社ASPIRESTの代表取締役社長を務める。

 

自分の考えが明確になり、アクセルとブレーキのコントロールができるように

―「成長マインドセット」を読んだ感想を教えてください。

これまでの経験で感じていたことや思っていたこと、考えていたことが言葉として明確になっているなと思いました。特に、目に見える成果を出すためには、能力や習慣、想いなど目には見えないものが必要なのだと教えてくれる「アイスバーグ」については、形は違いますが似たような構造を前々から自分で考えていました。自身の経験から「なんとなくこうだろうな」と思っていた枠組みが、本書を読むことでよりはっきりと見えるようになりました。

また本書の中で紹介されている「アクセル」や「ブレーキ」についても同様に、なんとなくその存在を認識してはいたものの、本書を通してより深く理解し、意識が出来るようになりました。本書では「三叉路(さんさろ)理論」という言葉で紹介されていますが、自分で選んだ道を全力で進むのがアクセルで、悩みによって全力で進む事が出来ていない状態がブレーキです。

その存在を明確に意識できるようになったからこそ、自分でアクセルとブレーキのコントロールができるようにもなりました。例えば、いちトレーナーとして「個人で働く時」はスピード感を大切にしブレーキを踏まないことが大事ですが、経営者としては、「目の前のスピード」だけでは無く「ゴールまでのスピード感」を見据えた上での意思決定が必要になってきます。個人で働く時は「とにかくやる事」が大切です。「1に行動、2に行動、3・4で改善、5に再行動」といったイメージです。

しかし、経営者としてゴールまでのスピードを意識すると、計画、実現可能な形への落とし込み、トライアル、エラーの修正、仕組み化といったように実際に行動に移す迄にステップを踏む必要が出てきます。また行動してからも全体の意思が統一されるまでにトライ&エラーを繰り返し、意思が統一された状態で初めて全開でアクセルを踏む事が出来ます。その分個人の時よりも、もどかしさを感じる事もありますが、結果的により大人数を動かし、個人では実現できない成果を出す為には、しっかりとした仮説とPDCAサイクルを運用していく必要があるのです。

三叉路理論を理解する事で「自分自身の悩みがブレーキを踏ませているのか」「組織全体を見据えた上で、踏むべきブレーキを踏み、結果的にゴール地点までのスピード感を早めているのか」という線引きが出来るようになりました。

このブレーキは阻害要因としてのブレーキではなく、経営リスクの観点から必要なものだと思っています。本書を読むことで、自分が現在どれくらいアクセルを踏んでいて、どれくらいブレーキをかけているのかの状況が具体的に見えるようになり、今踏んでいるブレーキは踏むべき類の物なのか、はたまた踏むべきではなく、自分自身の殻を打ち破らなければいけないのかを見極められるようになりました。

経営と個人のベクトルを一致させることで、会社を大きくしたい

ー本書での学びが活かされた場面があれば教えてください。

本書での学びを活かして、弊社ではアイスバーグの思想を取り入れた、振り返りと目標設定ができるシートを作成しました。頻度が低いと忘れてしまうので毎月、そのシートを元に、月の振り返りと目標の確認および到達度について、チェックしてもらうようにしています。

このシートは、社員それぞれの中で、自分の目標と会社の方向性とを一致させるために使うものでもあります。両社のベクトルが合っていなければ個人にとっては、ストレスを抱えながら働くことになり、会社にとっても業務が進まず、お互いにとって不幸です。ベクトルが合わなかった結果として、店舗が潰れてしまう失敗事例も沢山見てきました。だからアイスバーグのフォーマットを活用し、常にメンバ自身が自分の目指す方向と会社が目指す姿が一致しているか確認できるようにしています。毎月の振り返り以外にも、自社で制定したアスピレストismや360度評価によって、よりベクトルが一致するように努めています。

―どんな人にオススメだと思いますか。

面接に使えると思うので人事の方にオススメです。マインドセットに当てはめて、その土台となる部分が構築されているかを確認することで、その人の伸びしろを予想する事が出来ます。

また、本書の考え方を純粋に受け入れられるかどうかも応募者の採用を判断する一つの指標になるのではないでしょうか。例えば他責にしないことや、自分でできる範囲のことにアクションを起こせるかなどがそのポイントになると思います。

逆に本書が合わない人としては、具体的な手法や仕組みを知りたいという方だと思います。本書に書かれているのはマインドの「在り方」についてであり、具体的なマネジメント手法などの「やり方」ではないからです。

―ご自身の今後の展望について教えてください。

まずは心と身体を健康にする事業を主軸に地に足をつけて経営を行なっていきたいと思います。何でもかんでも手を出すのでは無く、弊社のコンセプトや文化を大切にしながら、会社を大きくしていきたいと思っています。

事業の存在意義というのは会社の規模に関係ありませんが「影響力の強さ/大きさ」というのは会社の規模と比例します。自分たちの組織が大きくなり、業界に対しての影響力を強める事で、この業界はより良い方向に向かっていくという自負があります。

また、トレーナーが「トレーニングを教えるだけの人」にならない会社にもしたいと思っています。お客様に良いサービスを提供するために本当に大切なのは、運動、栄養、休養、これら全体にアプローチできることです。これができる人材を育成し、お客さんの健康に貢献できるサービスを提供できる会社にしたいです。

原田 光さんのアイスバーグ

 

3000人以上の幹部層・リーダーの人材育成から生まれた

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