Q. 何をやるにもなかなか習慣化することができません。どうしたら、継続することができるようになるのでしょうか。
そうですね、誰にとっても継続・習慣化は難しい問題ですね。
私がよく使うメッセージに「知っていることと、できることは違う」というのがありますが、「1回できることと、習慣化できていることはまったく違う」というのも新たに付け加えたいと思うほどです。
好きなことであれば、比較的続けられますが、自分にとって苦手と感じることほど継続は難しいですね。
最近は「嫌いなことや苦手なことを無理に続けず、好きなことだけやればいい」といったアドバイスをよく見かけます。そのことに反対するつもりはありませんし、本質的な意味があると思いますが、最初少し苦手だと思っていたことを、うまく克服できて、新しい可能性や能力が高まることもあります。また、仕事上、好きなことだけでは、成り立たないこともありますから、継続や習慣化に関する原理原則や、ノウハウを知って、トライしてみるのも悪くはないと思います。
では、どうしたら具体的に継続、習慣化できるのでしょうか?私も意思が弱いタイプなので偉そうなことは言えないのですが、自分でもとても役に立った考え方を3つのメッセージにしましたので参考にしてみてください。
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継続、習慣化に役立つ3つの考え方
1、ゴール&ストロングインセンティブ →「それは本当に必要なことか?」
2、スモールギフト&トリガー → 「ご褒美と引き金は使いよう」
3、ロー・ハードル →「自分を上手に騙す?」
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1、「それは本当に必要なことか?」
まず、最初の“ゴール&ストロングモチベーション”
あなたが、継続・習慣化したいものの先のゴールには何があるのかを考えてみましょう。
漠然と「できるようになったらかっこいい」とか「役に立ちそう」なのか、「本当に自分がなりたいもののために絶対必要なのもの」なのかを考えてみてください。そのうえで、意味のあること、先の自分に「本当に必要だと思えること」であれば継続の努力をしましょう。もし、そうでないのならば、思い切って選別して、その工数を他の必要なことに仕分けしてみてもよいかもしれません。
例えば英会話で、通訳や翻訳家になるとか、海外で英語を使う予定があるわけではないけど、英語ができたらカッコいい、将来何かの役に立ちそう、ぐらいのゴールでは、強い動機とはならず、中途半端で終わってしまいかねません。
2、「ご褒美と引き金は使いよう」
次の“スモールギフト&トリガー”とは何でしょう?
これは、人間の習性や特性に合わせて、ある程度の科学的実証データや先人の知見を知り、自分の行動に取り入れることです。
これは、継続ドライバともよばれているもので、海外のヘルスケア事業での成功事例から考えられた、継続のための効果的な十個のポイントにまとめられています。ダイエットなどなかなか継続が難しいものが、これらのポイントを抑えることによって習慣化することができるようになっています。
1.インセンティブ 2.コミュニケーション 3.パーソナライズ 4.ビジュアルモニタリング
5.ナレッジ 6.交流 7.コンペティション 8.エンカレッジメント 9.ICTベネフィット
10.エンターテイメント(詳細説明はページ最後の※1で)
の10個があり、自分にあったものを組み合わせて、小さいご褒美や刺激を与えるものです。
目的がはっきりした旅でも、人間は弱いものなので、途中に楽しみや刺激があったほうが継続はしやすくなります。
例えば、ウオーキングであれば、毎日の歩数がスマホ等でビジュアルモニタリングできたり、歩数によりポイントが加算されたりする仕組みのようなことです。
継続ドライバは、ご自身の性格や好みによって、どれが向いているかは変わってきます。色々なものを組み合わせて自分なりの仕組み作りをしてみましょう。
3、「自分を上手に騙す?」
そして、3つ目の“ロー・ハードル”です。
これは、野菜嫌いな子にどう野菜を好きになってもらうかを考えて工夫するのに似ています。
この例でいうと、野菜と気づかないで、無意識に食べれるように、上手に加工したり、味を変えてあげたりする方法です。これは、野菜嫌いを克服するために野菜へのハードルを下げるとともに、言い方は悪いですが「子供を軽く騙す」ことでもありますね。
同じように、少し苦手なことをする際には心理的バリアが発生するので、自分に対しても、第三者や親になったつもりでどう工夫すれば、そのバリアが減るのか、ハードルを下げてあげることができるのかを考えてみてください。
例えば身体を鍛えたいと一念発起し、ジムに入会し、継続的に週2回行くと決めてはみたものの、結局は幽霊会員になってしまったという経験がある人は多いと思います。忙しい人にはかなりハードルが高いものですね。
次に「毎日20回の腕立て伏せを3セット行う」という目標を立てたとします。最初は出来そうと思っても、一日くらいやらなくていいやと思ったら最後、その後は全くやらなくなってしまうなんていう経験はありませんか。少なくとも、私にはこれはかなりハードルが高く、無理でした。
しかし、実はある手法を使って、現在私はこの毎日の腕立て伏せを継続できています。
ハードルを思い切り下げることによって。
ハードルを下げるということは、最初の目標を下げるということです。普通、最初が最もモチベーションが高いので高い目標を設定しがちですよね。
「小さな習慣」(ダイヤモンド社)という本を読んだことがきっかけでこの習慣を身に着けることができました。
この本では、身体を鍛えるトレーニング習慣として、腕立て伏せは毎日たったの一回でOKと書いてあるんです。「鍛えるのに一回だなんて意味がない」とほとんどの方が思われますよね。私もそうでした。
でも、実は「毎日一回の腕立て伏せでOK」と思っていても、一度始めたら1回で終わることはなく、私もなんだかんだ20回を2セットとかは難なくやっていました。
でも、次の日も目標をあげることなく、目標はあくまで1回。このハードルの低さがとても良いのです。高い目標を掲げていたら、例えば体調が思わしくない日などは、「今日は体調悪いから止めておこう」という、絶好の言い訳で継続を中断し、次の日以降は中断してしまった後ろめたさから、継続習慣のことは無かったことにされていくのです。
1日や数日だけ高い目標を立てて、挫折、失敗経験を繰り返すより、小さな成功体験を積み重ねたほうが、どれだけあなたの人生がポジティブになるか、騙されたと思って試してみませんか?
この方法は、1日1英単語だけ覚えるでも、1ページだけ本を読むでも、1行だけ文章を書くでもいろいろと応用が利きます。
以上3つの考え方は、自分の人生の監督やコーチである「あなた」が、選手である「あなた」の性格や特徴を考えて、より素晴らしいパフォーマンスが発揮できる、指導方法や練習方法を考えて実践することに似ていると思います。
「ローマは1日にして成らず」(ジョン・ヘイウッド)
「はじめは人が習慣を作り、それから習慣が人を作る」(ジョン・ドライデン)
「皆さんの未来をつくる、よい習慣でアイスバーグを大きくしましょう」(マスター)
※1 「10の継続ドライバ」
Health Biz Watch
http://www.healthbizwatch.com/project_note/pickup/post_475.html
1.インセンティブ
・継続度や目標の達成度に応じて、報酬がもらえる機能
・物理的(目に見える)と心理的(目に見えない)の2種類が存在
2.コミュニケーション
・プロセスで用いる有効なコミュニケーション方法
・コーチング、メンタリングなど複数存在
3.パーソナライズ
・一人一人に合った選択を可能にする機能
・パーソナライズ対象として目的・目標・具体的行動等
4.ビジュアルモニタリング
・視覚的に自分の健康状態・行動・結果を記録し表現できる機能
5.ナレッジ
・必要な知識提供機能
・気づきを得る、知識を得る、実践のノウハウを知り実行する、継続ノウハウを知るというプロセスに分類可能
6.交流
・他者との交流機能
・リアルの場とウェブコミュニティの場の存在
7.コンペティション
・競争機能。不特定多数の人との競争だけでなく、仲間での競争も有。
8.エンカレッジメント
・励まし機能(2種類)
・専門家が直接アドバイスを行う「直接的励まし」、コミュニティでの参加者同士の「間接的励まし」
9.ICTベネフィット
・ICT機器(スマホ、健康機器など)との連動で継続支援するもの
10.エンターテイメント
・楽しさ演出機能
・シミュレーションゲーム等ゲーム性を取り入れたコンテンツ提供等