自分を知ることで他人を知る。 強すぎる想いに振り回されなくなるための考え方。

「成長マインドセット」を取り入れることで、組織・個人はどう変わるのか。今回は、「NUTRITION FOR START-UP COMPANY」を掲げ、スタートアップ企業のマーケティングや採用、CSといった幅広い分野のサポートを行うビタミン株式会社のCEO、タカマツヒロミさんにお話を伺います。

タカマツ ヒロミ
美容師としてキャリアをスタート。2008年より、創業間もないスタートアップ企業(現:株式会社リジョブの前身企業)に転職。2009年、同社の代表取締役に就任。2014年会社を売却し独立。2015年、ビタミン株式会社を設立し、スタートアップ企業専門の支援サービスを開始。

 

案外、自分のことを誰もわかっていない

ー「成長マインドセット」を読んだ所感を教えてください。

なんとなく認知していたものの、言葉にできなかった自身の傾向について、他者を見るような感覚で、理解することができました。

例えば、自分の中には「大きな子供」がいるのだということ。「大きな子供」とは「成長マインドセット」に登場する考え方です。他者を理解できなかったり、好ましくない執着を持ってしまったりする傾向のことを指します。

初めは「私は違う」と一歩引いて読んでいました。しかし読み進めるほどに心当たりがあることに気づき、自分の中にも「大きな子供」がいることに納得ができました。もし、前職で部下の育成をしていた時に知っていれば、もっと部下のことを理解することができ、的確なアドバイスを送ることができたのかなと思います。きっと、「そんなことない」とどこか反発を覚える部分こそ、自分にとって図星な考え方なのだと思います。

また、高い山に登頂できるチームを選ぶワークでも自分の考えの傾向について知れました。内容としては、特徴ある幾つかのチームから登頂できる可能性が高そうなチームを選ぶというもの。私は、想いがあることは前提で、その上でスキルの高いチームを選択しました。ところが、メンバーのやる気の高さや、コミュニケーションの円滑さを重視してチームを選択する人が思ったより多くいるのを見て、自分の考え方の癖を把握することができました。

自分の考え方の傾向は、自分を客観視するための、ひとつのフレームワークとして活用できます。物事を主観的に捉えすぎてしまうと、生きていて苦しくなります。「なぜ私はこんなに頑張ってるのに結果が出ないの…」と全部自分中心で考えてしまうからです。だからこそ自分を客観的に捉えることができる指標を持つことは、幸せに生きていく上でも大事なことだと思います。

強すぎる想いを消化するために

ーどんな人にオススメしたいですか?

どんな人でもハマるとは思いますが特に、スタートアップ企業の中で、自分の理想と現実との間にあるギャップに苦しんでいる人には読んで欲しいです。

例えば、広い社会課題に対する想いが強い人。世界のどこかで起きている戦争や差別といった問題について、憤りを覚えつつも、それを直接解決する力がなく、苦しくなったりもします。「世界ではこんな問題が起きているのに、自分はなんて力がないのだろう」と落胆したり無力感に苛まれたりすることもあるかもしれません。

そういうときは、自分を客観視する本だったりツールを活用すると自分を俯瞰することができ、その結果、なぜ苦しいのかが理解でき、次のアクションを冷静に考えやすくなります。例えば「成長マインドセット」に登場する「関心の輪と影響の輪」という考え方。これを知ると、世界で起きている様々な問題は「関心の輪の中にはあるが、影響の輪の外にある」ということが受け入れられるようになります。すると、「影響の輪」を広げることに注力しようと考えられるようになると思うのです。

他にも、「成長」という言葉があまり好きではない人にもオススメです。私自身がそうでしたが、成長と言うと一つの方向に向かって進んでいかなければいけないイメージがあって、どちらかといえば拡大や変化といった言葉の方が自分の能力を伸ばしていく概念としてしっくりきていました。

その点、「成長マインドセット」では「成長と言われると自分の本質を捨てて別のことをやらないといけないのかと感じるのかもしれませんが、自分を活かし、主体的に本質的な成長をすることが人生を豊かにしてくれる」と曖昧さなく定義されています。だからこそ、私のように一般的な成長の捉え方に違和感を感じる人にも受け入れやすい内容なのではと思います。

私は今後、会社の中で新しいプロダクトを作っていこうと考えています。その際にも本書での学びを活かし、自分を客観視しつつ進めていきたいと思います。

タカマツヒロミさんのアイスバーグ

 

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