ビジネスパーソンが時間を費やしている「会議」。せっかく大勢が集まっているのに、参加者が発言しない沈黙の時間が多くはありませんか?また、誰かが発言しても質が低い、とお悩みではないでしょうか。今回は、会議の参加者が活発に発言し、質の高い議論ができるようになるために、有効なマトリクスをご紹介します。
会議参加者を、発言の「量」と「質」でプロットしよう
まず、あなたの社内での打ち合わせを想像してみてください。
以下の図は、発言の「量」と「質」に着目したマトリクスです。会議を行う場合、あなたやあなたのまわりのメンバーはどこにプロットされるでしょうか?
①会議中の発言量は少ないが、議題に沿った意見や問題提起など、質の高い発言ができる質の高い発言(議題に対して適切な問題提起や提案など)ができている
②質の高い発言を打ち続けることができる
③発言量が少なく、議題に対する指摘や問題提起など、適切な発言も少ない
④質を問わず、とにかくたくさん発言する
発言の量が大事
プロットが終わったら、次に①〜④のどのゾーンになることが望ましいか、考えてみましょう。まず、一番良いのは「②質の高い発言を打ち続けることができる」ですよね。みんながその状態になれば、議論は活発になり、質の高い会議になるでしょう。②は、目指すべき最終状態ということができます。
最も避けたいのは、「③発言量が少なく、議題に対する指摘や問題提起など、適切な発言も少ない」状態です。議論を進めるという観点で見ると、会議に貢献できていないことになります。情報共有のための会議でない限り、参加する意味は無くなってしまいます。
残るは「①会議中の発言量は少ないが、議題に沿った意見や問題提起など、質の高い発言ができる」と「④質を問わず、とにかくたくさん発言する」の2ゾーンです。議論が得意な②のゾーンの人でない限り、まず①を目指す方が多いのではないでしょうか?
しかし実は、ここぞという時に発言する「質」重視の①ではなく、数多く発言する「量」重視の④を目指すべきなのです。
トライアンドエラーを繰り返すことで、初めて成長がある
なぜ発言の質よりも量なのでしょうか。それは、より早く成長するためです。いま自分が③のゾーンにいて、②の状態を目指すと考えてみてください。実際に、③→①→②という成長の仕方は、とても難しいと感じるはずです。
なぜなら、発言を増やしてトライアンドエラーを繰り返さないと、質の高い発言はできないからです。そのため、まず発言量を増やし、周りの反応をみながら徐々に質を高めていく、③→④→②があるべき成長の方向なのです。多くのビ
いきなり発言量を増やすことに対する、心理的ハードルはあるかもしれません。しかし、発言量を増やすことが、結果的により早い成長に繋がるのです。目先の恥ずかしさにとらわれず、先を見据えて発言の「質」よりも「量」を増やしていくことが重要です。
会議は意思決定や情報共有の場であるだけでなく、あなた自身の、そしてメンバーの成長の場でもあります。会議を活用した成長を目指して、まずは会議での発言量を増やすことを意識してみてはいかがでしょうか。
加えて、若いメンバーや、発言するのに慣れないメンバーが質の低い発言をしても、それを否定したり批判したりしないことも大切です。発言量が増やすことこそが成長の鍵。組織全体で心理的安全性を重視して、発言することを称賛する風土を作りましょう。
「とはいえ、どうしたらいいか分からない…」という方におススメ!