オフィスワークが増え、社内コミュニケーションの希薄さに悩む職場は多くあります。その一方で、生産性の高い会社は社内のコミュニケーションアップの施策をうまく取り入れ、業務の効率化に成功しています。
成功している社内コミュニケーション施策は、自社でも社内コミュニケーションを活性化させるアイデアのヒントになることでしょう。ユニークな施策を10選ご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
社内コミュニケーションは生産力の向上に必要不可欠
社内コミュニケーションに課題を感じている会社は多い
いくら効率的なシステムを導入しても、社内コミュニケーションの活性度で生産効率は変わってきます。
社内コミュニケーションに悩む企業は多く、人事ポータルサイトHRproの調べによると、約8割もの企業が「社内のコミュニケーションに課題を感じている」と回答しています。
参照:「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告
https://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=153
社内コミュニケーションの事例を知り自社に活かす
社内コミュニケーションの希薄さは業務効率の低下だけではなく、
・一人一人の人柄が見えづらく適切な評価がおこないにくい
・職場での問題を1人で抱え込み離職率が上がる
などのデメリットもあります。
しかし、社内コミュニケーション円滑にする適切な方法が思いつかず、悩んでいるリーダー層は多いもの。施策事例を知ることで、自社でおこなえそうなアイデアのヒントとなるでしょう。
社内コミュニケーションのユニークな施策事例10選
食事を通してコミュニケーション力を高めた事例
社内のコミュニケーションといえば、「食事をともにする」という方法が一般的です。
かつては上司が積極的に部下を飲みの場に誘い、社内コミュニケーションを計ることもありました。ただ、現代では「パワハラ」と認識されることを恐れ、飲みに誘いづらい現状があります。
そんな中、会社の施策として食事を通したコミュニケーションを計り、成功している事例も多くあります。
事例①ランチ代を補助する
フリマサイトで有名な株式会社メルカリでは、社員同士のランチ代を補助する施策を行っています。最初は社員が立て替えていましたが、今では許可が取れたお店に限りツケ払いまでできるようになっています。
ランチ代の補助だけではなく、新入社員が入社日から1週間社内の人とランチに行く「メンターランチ」や、新入社員と役員でおこなう「ウェルカムランチ」、社員紹介を目的とした「採用会食」などさまざまな食事によるコミュニケーション施策を行っています。
事例②他部署の人と飲みに行く
クラウド名刺管理サービスをおこなうSansan株式会社では、他部署の人と飲みに行くと会社から補助金を出すという施策を行っています。「Know Me」(ノーミー)と、「飲み」を意識したネーミングで1人最大3,000円が補助されます。
この制度はテレビでも取り上げられて話題を集めています。1回の飲み会につき3人までなど社内規定はありますが、多くの社員が利用している成功事例となっています。
事例③社員みんなで料理を作る
レシピサイトでおなじみのクックパッド株式会社では、「Shared Kitchin & Lounge」という社員専用スペースで、みんなで料理を作るというコミュニケーション施策を行っています。30人~40人程度の大きなキッチンで、食材にかかる費用はすべて会社が負担しています。
「業種ならでは」といった施策ではありますが、一緒に食事をするだけではなく「作る」段階からはじめることで、自然と社内コミュニケーションも活性化されるでしょう。
交流の場をつくりコミュニケーション力を高めた事例
今まで人間関係が希薄な職場だからこそ、「もっと同僚同士で積極的にコミュニケーションするように」という指示だけでは難易度が高いです。会社で「交流の場」を部下に提供することで、社内コミュニケーションの活性化に成功している企業もあります。
事例④社内専用チャットルーム
ヤフー株式会社では、社員同士が気軽にコミュニケーションを取れる「MYM」というツールを提供しています。1:1だけではなく5000人で議論を行うこともあり、全社員が活用しているコミュニケーションツールです。
同僚の「ヨコ」のつながりだけではなく、役員や他部署の社員も巻き込むことで、最新情報を共有したりフィードバックを展開したりと活発に意見交換が行われています。
事例⑤社内報で社員の情報を共有する
マーケティングやリサーチを行う株式会社マクロミルでは、紙媒体の社内報「ミルコミ」とWeb社内報の「NOW」という2つの媒体を通して、社員同士がコミュニケーションを取りやすいよう施策しています。
人とコミュニケーションを取ることが苦手な社員も、社内報であらかじめ同僚の情報を知ることで話しやすくなるというメリットが期待できます。
事例⑥社員同士で褒めあう
Sansan株式会社では、社員同士で褒めあう「見つカッチ」という施策を行っています。うまくフォローしてもらったときや助けられたとき、パソコン内の投票画面から感謝をあらわします。
褒められた人はモチベーションアップにつながり、さらなるパフォーマンスの向上も期待できるでしょう。直接言葉を交わす機会が少ない他部署の人とも、パソコンを介して社内コミュニケーションを取ることができます。
動物を通してコミュニケーション力を高めた事例
動物には癒しの効果があり、長時間残業やストレスで崩しがちなメンタルバランスをサポートしてくれます。動物のお世話や愛嬌のある姿を通して、自然と社内コミュニケーションが活発になります。
事例⑦会社で動物を飼う
日本オラクル株式会社では「グリーティング&ヒーリング アンバサダー」という位置づけでCandy Candyちゃんという名前の犬を飼っています。会社で飼っているというよりは「出勤する」形式で、毎週水曜日に社内に顔を出して社員を癒しています。
また画像をSNSでシェアしており、社員のメンタル安定やコミュニケーションの活性化、さらにはプロモーションという役割も果てしています。
事例⑧ペットの同伴OK
AmazonやGoogleといった先進的な企業は、ペットの同伴をOKにしています。日本ではまだなじみがないですが、アメリカではここ数年でペットの同伴出勤の許可率が上がってきています。
先進企業でも、ペットを介して社員のコミュニケーションやモチベーションがアップし、効率的になっていると感じているのです。
アウトドアを通してコミュニケーション力を高めた事例
アウトドアやスポーツは「仲間意識」を芽生えさせる効果があり、結束力が上がることで社内コミュニケーションが円滑になります。部活動を取り入れている企業もありますが、以下のようにユニークな施策を行っている事例もあります。
事例⑨ウォーキング・ミーティング
株式会社ぐるなびが行っている施策で、多い時は週に3回、皇居の周りをおよそ7キロ歩きながらミーティングするというものです。トップ層もいますが、開放感があるため社員同士のコミュニケーションにもなっています。
会議室で顔を突き合わせながらだと浮かびにくいアイデアも、体を動かしながら考えることで雰囲気が変わり、いいアイデアが出やすくなるようです。
事例⑩みんなでスポーツ観戦
Web事業などを行う株式会社DYMでは、社員のコミュニケーションを目的としてスポーツ観戦を行っています。株式会社DYMはJ1リーグのFC東京のスポンサーをしていることもあり、スポーツが身近となっているのでしょう。
ともに同じチームを応援することで団結力や活気が生まれ、社内コミュニケーションの活性化につながっています。